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夏休み、新紙幣と一緒に親子で学ぶ、お金の自由研究!

2024年7月、日本の新紙幣の発行開始が予定されています。一万円、五千円、千円の肖像に採用されている渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎に関するテレビ番組なども増えてきましたね。
ツクルトでは新紙幣発行のニュースをきっかけに、お金について調べてみました。お子様の夏休みの自由研究などにも参考にしてもらえると、うれしいです。

昔の日本にはいろんなお金があった! [お金の歴史]

まずはお金の歴史から。そもそも大昔は、紙幣をはじめ、お金というものはなく、「リンゴと木の実を交換する」といった、物々交換が行われていました。
しかし、いつも欲しいもの同士を交換できるとは限りません。そこで、すべての人に共通の価値をもつ「お金」を、欲しいモノと交換するようになりました。

はじめは中国やギリシャなど古くから文明が発達していた地域でつくられていたようですが、そこでつくられたお金が他の地域にも出回り、「中国でつくられたお金が日本でも使われている」という時代もありました。

日本でお金がつくられるようになってからも、地域ごとに個別につくられており、「大阪ではこの金貨・小判を使う」、「名古屋ではこの金貨・小判を使う」といった具合でした。例えば武将の武田信玄で有名な甲州でつくられていた甲州金は、偽造防止のためにつけられたギザギザが特徴。この形が和太鼓に似ていることから「太鼓判」と呼ばれ、太鼓判=本物の証に。そこから、絶対に良いものであることを保証する「太鼓判を押す」という慣用句が生まれたという説もあるようです。

[クイズ] では、日本で使うお金を1種類に統一したのは、誰でしょう?

①平安時代の天皇
②江戸時代の将軍
③明治時代の政治家

正解は





「②江戸時代の将軍」でした。その名はずばり、徳川家康。
製造元を幕府だけに限定することで権威を高めるとともに、偽造を厳しく取り締まることで世の中を安定させるなど、さまざまな狙いがあったようです。
なお、全国で使える政府紙幣が初めて発行されたのは、明治時代が始まる1868年のこと。

天下統一した江戸時代の将軍・徳川家康がお金も統一!

今回、新紙幣に描かれる人物は、いずれも明治〜昭和時代に活躍した人ですが、日本のお金の歴史を振り返ると、飛鳥時代に生きていたとされる聖徳太子や、金次郎像で有名な二宮尊徳、七福神の一神である大黒天が描かれていたこともあるんですよ。

七福神の一神である大黒天もお札の絵柄に。

[夏休みの自由研究ヒント]
お金に描かれるのはどんな人?それは歴史上どの時代に、何をした人?

[お金の歴史 まとめ]
・大昔はお金は使われておらず、物々交換
・日本で使われるお金は、地域ごとに違っていた
・日本で使うお金を統一したのは、江戸時代の徳川家康
・全国で使える政府紙幣が初めて発行されたのは明治時代

世界には100,000,000,000,000ドルのお金も! [世界のお金]

次は日本を飛び出して、世界のお金(紙幣・硬貨)を見てみましょう。お金は単に、買い物で使う道具であるだけでなく、その国の特徴や経済の状態まで見えてしまうもの。
例えば、アフリカの「ジンバブエ」では、物の値段が上がりすぎたため、人々は買い物をするためにたくさんの紙幣を持ち歩かなければいけませんでした。その対策として紙幣あたりの単位をあげ、100,000,000,000,000(100兆!)ドル紙幣が発行されました。

ゼロが14個もある100兆ジンバブエドル紙幣。

ヨーロッパの「スウェーデン」では、2015年の新紙幣デザインにあたり、日本でも知られる児童文学「長くつ下のピッピ」の作家をはじめ、映画監督、俳優、歌手、国連職員など、世界的に知られる文化人が選ばれました。
ほかにも、北アメリカにある世界有数のリゾート地で、ゴルフコースも多数ある「バハマ」では、ゴルフしている様子を描き、ホールの部分に本当に穴を開けている記念硬貨なんかもあります。

[クイズ] では、イギリスの、ある紙幣に見られるユニークな特長は?

①肖像が歳をとる
②虹色に光る
③布でできている

正解は





「①肖像が歳をとる」でした。1ポンド札などに採用されたエリザベス2世は、1952年から2022年まで女王であり続けたため、歳を重ねるごとにお顔も少しずつ変わっていきました。その数、5回。ひとりの人物が何十年も紙幣に描かれるのは、世界でも珍しい例です。
ちなみに2024年の日本の新紙幣には、肖像が回転する世界初のホログラムが採用されているそうです。

左が1970年代に発行された1ポンド紙幣。右が1990年以降の20ポンド紙幣。

[夏休みの自由研究ヒント]
世界のお金の単位は?紙幣や硬貨にはどんなものがある?

[世界のお金 まとめ]
・アフリカの国では、物価高の影響で100兆ドルの紙幣が発行されたことがある
・イギリスでは、肖像が歳をとる紙幣があった
・ほかにも国の特徴によって絵本作家や観光地がモチーフになることも
・2024年の日本の新紙幣では、肖像が回転する世界初のホログラムを採用

銀行がお金をつくらない時代が来るかも [未来のお金]

そして最後は、未来のお金の話。「新紙幣がつくられる」というのは大きなニュースですが、実際は最近、紙幣や硬貨(現金)を使う機会が減っていますよね。
さらに将来は、銀行がお金をつくるのではなく、個人一人ひとりがお金の発行や管理に関わる時代が来るかもしれません。

その中心となるのが、暗号通貨(仮想通貨)。暗号通貨は、現金とはちがって色も形もありませんが、インターネットさえ使えれば、いつでもどこでも、手数料などもかからずお金のやりとりができる仕組みとして評価されており、ますます普及するのではと考えられています。
「〇〇Pay」など、未来のお金は電子化もさらに進みそうですよね。

[クイズ] 2021年、エルサルバドルという国から届いた、お金にまつわるビッグニュースとは?

①エルサルバドルで使える銀行が一つだけになった
②「エルサルバドルPay」で支払わないと違法になった
③暗号通貨が、国の公式のお金(法定通貨)※になった
※例えば、日本の「円」のこと。

正解は





「③暗号通貨が国の公式のお金(法定通貨)になった」。アメリカ・ドルと「ビットコイン」という名前の暗号通貨の併用と決まりました。この背景には、エルサルバドルでは銀行口座を持っている人が少ないため、銀行で現金をやりとりするよりも、スマホ一つであらゆる手続きを完結できる暗号通貨のほうが都合がよかったなどの理由があるようです。

暗号通貨は色も形もなく、スマホなどを使ってインターネット上でやりとり。

国民全員がスマホでパパパっとお金のやりとりを済ませられるなんて、まさに未来!と、かっこよく感じますが、その一方で、災害大国の日本でお金を完全に電子化してしまうと、停電などが起きた場合、みんなが一斉にお金を使えなくなり、困ってしまいます。国によっても、便利なお金のありかたは少しずつ違うのかもしれませんね。

[夏休みの自由研究ヒント]
キャッシュレスの割合が世界一の国は?日本は何番目くらい?未来の紙幣に描かれている人物を想像してみよう!

[未来のお金 まとめ]
・個人個人がお金の発行や管理に関わる時代が来るかも!?
・実際、暗号通貨が公式のお金(法定通貨)になった国がある
・電子化が進んでも、災害時など現金が必要な場面はまだありそう

身近だけれど意外と知らないお金の話。新紙幣発行のニュースや、この記事をきっかけに普段何気なく使っているお金について、改めてみんなで考えるきっかけにしてもいいですね。