夜空を見上げ、星を眺め、宇宙を体感するひととき。日頃都会で暮らす人でも、旅行やイベントなどで自然を訪れ、美しい星空を楽しむ人も多いのではないでしょうか。
夏の風物詩となりつつあるペルセウス座流星群や、月を身近に感じることのできるスーパームーンなど、子どもと一緒に楽しめる天体ショーはたくさんあります。
ツクルトではペルセウス座流星群を始めとする天体ショーについて調べてみましたので、お子さまはもちろん、家族みんなでお楽しみください。
ペルセウス座流星群なら、願い事がたくさん叶うかも?
夏の天体ショーの定番となっているのが、ペルセウス座流星群。ペルセウス座流星群は、1月の「しぶんぎ座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と共に三大流星群の一つで、観測できる流星の数が多いことでも知られています。
夜空にとつぜん現れ、一筋の光が走るように動き、スッと消えていく流星。その流星が1年のある決まった時期に、いくつも飛び出すように見えるのが流星群です。
宇宙の神秘的な現象でもある流星の正体は、実は宇宙からやってきたわずか数mm程度の小さなチリ。そのチリが宇宙空間から地球に突入したときに、大気との摩擦で発光して見える現象(下図参照)です。
ペルセウス座流星群がよく見えるピーク時には多くの流星が見られ、1時間あたり25個程度とも予測されています。
また、最も多くの流星が見られるのは夜明け近くで、1時間あたり40個程度の流星が期待されています。
ペルセウス座流星群を見るには、夜中や夜明け頃になりますが、眠い目をこすりながら、1つでも多くの流星を見つけてみてください。
流星には、「消えるまでに願い事を3回唱えると叶う」というおまじないがあります。この流星に願い事を唱える由来は一説によると、キリスト教なのだそう。
キリスト教では天国に神様がいるとされていて、その神様が地上の様子を確認するために、時々天国のドームを開けると信じられています。流星は、その際にこぼれ落ちた天国の光のかけら。そのため、流星が光っている間は、開いたドームから神様に声が届くとされ、願い事を唱えるようになったといわれています。
ペルセウス座流星群は、流星をたくさん見ることができる天体ショー。願い事をたくさん叶えられるチャンスなのかもしれませんね。
[天体ショーの観測アドバイス]
ペルセウス座流星群は、ペルセウス座付近を中心とした流星群で、肉眼でも見られます。
ですが、流星は夜空のどこにでも現れ、一つひとつの流星がいつ、どこに出るかは全く予測ができないので、レジャーシートを敷いて寝転びながら夜空全体を眺めると見つけやすいかもしれません。野外での観測になるので夜の冷え込みなどにも注意してくださいね。
想像力を爆発させ、オリジナルの星座を作ってみよう!
ペルセウス座は夏に見ることができる星座の一つ。ほかにもはくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガの3つの一等星からなる夏の大三角形や、さらには、天の川、北斗七星、赤く輝くさそり座のアンタレスなど、夏は迫力のある天体がたくさん見られます。
そもそも、現在の「星座」は、名称、略号、星座の境界が、国際天文学連合(IAU)によって決められていて、その数は88もあります。一つひとつ紹介できないのが残念ですが、なかには面白い名前や形の星座が数多く存在します。
[星座クイズ]この中で、実際にある星座はどれでしょう?
①たて座
②よこ座
③ななめ座
④まる座
正解は
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①のたて(盾)座。星の並びや形が盾に似ていることから名前がつけられました。
ちなみに、ペルセウス座をかたどっているのはギリシア伝説の英雄ペルセウスで、片手は剣をふりあげ、もう一方の手には、切り落とした怪物メドゥーサの首をさげた姿となっています。
でも実は、星座の決め方には20世紀初めまで世界共通のルールがなく、その数も名前も、時代や人によりまちまちでした。
星座は昔の人々の想像力で、非常に個性的。同じ夜空を眺め、同じ星を繋げても、ギリシャ人にはオリオンハンターと見えたものが、古代中国の天文学者には白虎(びゃっこ)に見えるなど、地域によっても異なっています。
また、国際天文学連合(IAU)によって決められた際に、落選してしまい現存しない星座もあります。蜜蜂座、監視者メシエ座、猫座、フラミンゴ座など、どのように星空を見たら、その形に見えるのだろう?と思ってしまうものも多くあります。
大人はもちろん、想像力豊かな子どもが星座をつくるとしたら、まったく異なる形や名前を思い付くかもしれません。夜空の星を見て、何の形に見えるか、ペルセウス座に代わるオリジナルの星座を作ってみるのも面白いですね。
月の大きさが変わる!?スーパームーンを楽しもう
夜空に浮かぶお月様。日本では江戸時代ごろからススキなどの七草を飾り、中秋の名月(十五夜)として秋にお月見を楽しんできました。
一方で、最近話題となっているのが、通常よりも月が大きく見える「スーパームーン」。スーパームーンという呼び方は天文用語ではありませんが、一般的に1年に12~13回見える満月のうちで、最も大きく見える満月のこととされています。
もちろん、実際は月自体が大きくなるわけではなく、月が「とても近い」ということ。スーパームーンでは、月が地球から最も遠いときと比べて14%ほど大きく見えます。地平線近くで月が大きく見えることがありますが、これは観察している人の錯覚で、なぜ大きく見えるのかはまだ解明されていないそうです。
[天体ショーの観測アドバイス]
一年に一度の特別な満月でもあるスーパームーンは、距離が近い分だけ通常より明るく見えます。肉眼でもはっきりと観測できるので、ピークの時間をしっかりチェックして見逃さないようにしましょう。
写真に残したい場合は、望遠レンズを組み合わせるのがおすすめ。スマートフォンのデジタルズーム機能で拡大すると、ぼやけてしまうので注意しましょう。
最近では、ピンクムーンやストロベリームーンといった名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、ネイティブ・アメリカンが毎月の満月に名前をつけてその時期を楽しんでいたことに由来しています。
[月ごとのさまざまな満月の名前]
1月:ウルフムーン(狼月)
2月:スノームーン(雪月)
3月:ワームムーン(芋虫月)
4月:ピンクムーン(桃色月)
5月:フラワームーン(花月)
6月:ストロベリームーン(苺月)
7月:バックムーン(雄鹿月)
8月:スタージョンムーン(チョウザメ月)
9月:ハーベストムーン(収穫月)
10月:ハンターズムーン(狩猟月)
11月:ビーバームーン(ビーバー月)
12月:コールドムーン(寒月)
スーパームーンや、毎月の満月に名前をつけて楽しむなど、月はとても身近な存在。夜空に現れる月光と雲による彩りとの、幻想的な世界を楽しみましょう。
夜空を眺め、年に1度の天体ショーに「キレイだな」とうっとりする。もちろんそれだけでも子どもにとっては貴重な体験です。
さらに、流星に願い事をするために、子どもと一緒に夢を話してみたり、星を繋いで何かの形に見える!などイメージを膨らませてみたりすると、より一層楽しむことができるかもしれません。
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