皆さんは雪の結晶の形を知っていますか?
ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石も「結晶」そのものなので、そういう意味では雪の結晶も同じ仲間になります。自然界にある結晶の中でも、宝石たちに負けないくらい美しいと言われている雪の結晶。そんな雪の結晶ですが、ひとつとして同じではなく、さまざまな形をしています。そこで今回、ツクルトでは実際に雪の結晶がどんな形をしているのか、自分で探して、撮影する方法を紹介します。
砲弾(ほうだん)・六花(ろっか)・鴎(かもめ)… 雪の結晶の形はいろいろ。
雪の結晶は基本的に六角形の形をしていますが、教科書や本の写真でよく見る、扇(おうぎ)や樹(き)の枝のような形の他にもたくさんあり、いくつかのタイプに分類されています。
例えば…その名の通り「砲弾」の形がたくさん付いている砲弾集合タイプ
樹(き)の枝に6つの板が花びらのように付いている角板付六花タイプ
鴎(かもめ)の群れが飛んでいるような形の内側角板付鴎タイプ
他にも、針状のタイプ、角柱のようなタイプなど、雪の結晶にはたくさんの形があります。
ちなみに、どんな雪の結晶も最初の形は六角形になります。この六角形が縦に成長したり、横に成長したり、塵(ちり)などとくっつくことで、さまざまな形になります。そして、上空の湿度と気温の違いで形が変わるため、同じ日でも時間ごとに雪の結晶は変わってしまいます。つまり、雪の結晶の形には大まかなタイプはありますが、どれも全部違います。すべての結晶が少しずつ違うところも面白いところです。
[雪の結晶を研究した日本人]
雪の結晶の形を分類したのは、日本人の中谷宇吉郎という雪研究の第一人者でした。中谷氏は、北海道十勝岳の山小屋で撮った何千枚もの雪の写真をもとに、初めて結晶を分類。そして、人工雪を作る実験から、結晶の形は気温・水蒸気量と関係があることを発見しました。この研究の意味を中谷氏は、「雪は天から送られた手紙である」と表し、有名な言葉として残しています。
スマートフォンで撮影できる!雪の結晶
雪の結晶には、タイプがたくさんあるけど、全く同じものがない。ということがわかったところで、実際に雪の結晶の撮影にチャレンジしてみましょう。
[用意するモノ]
・スマートフォン
※マクロ機能がある機種や、スマートフォン用マクロレンズ(100円ショップなどでも販売されています)があれば、接写してもピントを合わせやすく、より大きくキレイに撮影することができます。
※どちらもない場合でも、少し離してズームすれば撮影できます。
・暗めの色の布
※板状のものより布の方が結晶をくっきり撮影することができます。
気温が下がり、白い雪が降りはじめたら、いよいよ撮影です。はじめに、準備した布を振ったりして、外の冷たい空気で十分冷やします(暖かいままだと雪がすぐ溶けてしまうので注意!)。布が冷えたら、雪が布に落ちるまで待ちます。雪が布についたら、すかさずスマートフォンのカメラをかざし、雪の結晶から数cmのところでピントの合う位置を探り、撮影します。
[撮影のコツ]
・撮影チャンスは5秒から10秒程度。雪の結晶が溶ける前に素早く撮影するのがポイントです。
・ピントを合わせるのが難しいときは、ある程度ピントがあったところで連写しましょう。
・雪の中で撮影するので、スマートフォンが濡れて故障しないように注意しましょう。
・風邪などを引かないように防寒対策をしっかりして、いろんな雪の結晶を集めてみましょう。
オリジナル雪の結晶カードでキミも雪博士に。
ひとつとして同じ形のない雪の結晶ですから、すべての結晶は見つけた人が世界初の発見者になるということ。世界でまだ誰も見たことない結晶が自分のコレクションになると思ったら嬉しいですよね。せっかくの世界初!の雪の結晶なので「結晶カード」を作ってみましょう。
よく見る形もあれば、何これ!と思わず目を疑うような形など、さまざまな雪の結晶を分類し、レアな結晶の形を見つけたり、友だちや家族と見せ合ったりするともっと楽しめるのではないでしょうか。「結晶カード」に自分で命名したオリジナルの結晶を記録すれば、“雪博士”にもなれちゃいます。自分で見つけた、世界にひとつだけの結晶をたくさん集めて、コレクションしましょう。